発声コンディショニング

コンディショニングとは

歌手であれ、声優であれ、アナウンサーであれ、声の仕事をする方に、一度目を通していただきたい内容があります。
それは、コンディショニングについてです。
コンディショニングを活用するだけで、今以上のパフォーマンスを維持・発揮し、声の悩みや不具合にも迅速かつ適切に対処できますので、最後までぜひお読みください。




コンディショニングってなんだろう

「コンディション」という言葉は日常でも使う機会はあると思います。
今日は試合だけど、コンディションがいまいちだなぁ
→この場合は、調子という意味です。
今日の試合会場、芝生のコンディションが良くないなぁ
→この場合は、状態という意味です。

では、コンディショニングとは、どういう意味でしょうか。
コンディショニングは、スポーツ業界ではきちんと整備されており、アスリートも自然と使いこなしています。
しかし、声の業界においては、この概念が全く浸透しておらず、声に関する悩みや不具合が起こった場合、どうすればいいかの判断さえできない方が多数いらっしゃいます。
コンディショニングをうまく活用することができれば、まるでオリンピック選手のごとく、圧倒的なパフォーマンスを維持・発揮することが可能になるので、絶対に知っておいて損はないと思います。

スポーツ業界におけるコンディショニング

スポーツ業界では、選手が高いパフォーマンスを維持・発揮できる状態を作り出すために、各専門家・スタッフが、それぞれの分野で専門アプローチを行います。
例えば、プロ野球の場合は以下の通りです。

  • 野球の技術を指導するコーチ
  • 体づくりや体のケアを指導するトレーナー
  • 診断や医療行為を行うドクター

コーチは、現役を引退した選手が、投手コーチ、打撃コーチという役割で、選手の技術的指導や助言を行います。
トレーナーは体づくりと体のケアの2種類に分類されます。
ジムのトレーナーのように、筋トレを指導する体づくりの専門家、柔道整復師のように、試合後の体を整える体のケアの専門家です。
そしてドクターは、けがをした選手の診断や手術を行う医者、リハビリを行う理学療法士といった方々で構成されます。

コンディショニングの意義

コンディショニングの素晴らしいところは、選手の状態に合わせた専門家による適切な処置を受けることができるという点です。
より速い球を投げれるようになるために、下半身強化を体づくりのトレーナーから指導を受け、投げる技術をコーチから教わる。
もしもケガをしても、主治医に診てもらえる。
1人の選手に対し、専門家が何人もいるという贅沢な状況と言えるかもしれません。(もちろん専門家も何人もの選手を担当しますが)
ここで大事なのは、本当にベストコンディションを作り上げるには、分けざるを得ないということです。
なぜならば、コーチは選手それぞれの体の状態を見た上で、適切な筋トレメニューは組めませんし、もちろん医師免許を持っていないはずなので医療行為はできません。
コンディショニングは、各専門家の深い専門技術が織りなすことで、初めて実現する仕組みなのです。




発声コンディショニング

声は、声帯筋による振動で生まれ、内喉頭筋や喉頭懸垂機構のサポートにより、様々な表現を実現します。
つまり、スポーツと同じ筋肉運動なのです。
であれば、スポーツ業界と同じように、コンディショニングを考えることも可能です。

  • 歌唱や読解などの表現を指導するコーチ
  • 声そのもの(発声)を指導するトレーナー
  • 疾患の診断や手術を行うドクター

僕はこれを発声コンディショニングと呼んでいます。
※発声業界では、コンディショニングの概念が皆無なため、僕が名付けました(笑)
コーチは、現役の歌手、役者、アナウンサーの方々が、歌唱表現や読解表現など、各分野の表現力向上を目的とした技術的指導や助言を行います。
トレーナーは野球の例と同様に、声づくりと声のケアの2種類に分類されます。
ボイストレーナーのように、大きな声や高い声、音程、滑舌などを鍛えるための声の訓練をする人や、日常の声帯のケアを指導する人です。
そしてドクターは、声帯結節やポリープなどの疾患に対して、診断や手術を行うボイスクリニックの先生などが該当します。

発声業界の現状

声は、声帯筋と、声帯周り(内喉頭筋)、そしてその周りの筋群(喉頭懸垂機構)による筋肉運動による振動で生まれます。
筋肉ですので、筋肉の専門家(トレーナー)が適切なアプローチを行うのが通例です。
しかし、発声業界ではどうでしょうか。
ボイストレーナーと名乗っている方の多くは、歌を上手に歌えるように指導したり、話し方を上手に話せるように指導したりするコーチではないでしょうか?
訓練を英語に訳すとトレーニングであることも相まって、歌を鍛える/言葉を鍛えるための訓練・トレーニングをボイストレーニングと呼んでいますが、これは本来、トレーニングではなくコーチングに該当します。
つまり、野球のコーチが選手の体づくりに言及できないのと同様、表現のための技術を教えるコーチが、大きな声・高い声・音程・滑舌などの発声(筋肉運動=トレーナーの範囲)を指導しているということになります。
だから、声の悩みが解決されにくかったり、感覚的な理論が多いんです。
しかも、指導内容を見ると、19世紀に出始めた、現在では生理学、解剖学的にもめちゃくちゃな理論を教えているため、養成機関のトレーナー分野の指導が、かえって志望者の才能を奪うことしかしていません。

オリンピックで金メダルをとる選手のように、人々を魅了する圧倒的パフォーマンスを持てるように、声の業界もしっかりと現状を見つめ直していく必要があるのではないか、そのためには、コンディショニングの概念を流通させるのがまず第一ではないかと考えます。

コンディショニングまとめ

コンディショニングの概要は、以下の動画でお話ししました。

ここまでの内容をご覧になって、あぁなるほどと思われるかもしれませんが、いざコンディショニングを活用しようと思っていても、コンディショニングを受ける当事者にならないと分からないことも多く存在します。
次回は、コンディショニングの活用についてお伝えしたいと思います。

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